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体は温める?冷やす?何が本当で何が嘘!?

こんにちは、院長です。

体の健康や痛みに対して考えたり仕事をしたりしていると、良く出てくる言葉というか聞かれることが「温めた方が良いのですか?冷やした方が良いのですか?」ということについてです。たまたま昨日、十数年ぶりに知人と会って、ランチをしたり話しをしましたが、その時にも出てきたキーワードが「温める?冷やす?」というものでした。単刀直入に言ってしまえば場合によるというのが結論だと思いますが、では実際にどのような時に温めるのか冷やすのかを考えてみたいと思います。


季節・国の違いによる考え方

人間の体は四季の外気温に関係なく、常に体温を一定に保っています。これは体内で血流を調整したり汗が蒸発する時の気化熱と呼ばれる作用によって行われていますが、例えば熱性の病気などで体温が上昇している場合、頭部や動脈の経路を冷却して熱を下げようとします。これが夏なのか冬なのかで、冷却する部位と温熱部位とが変わります。というのは、冬場の場合、動脈の経路を冷却することで体温が低下しやすい状況となりますが、体には「悪寒」と言われる寒気が発生します。その為、頭部や腋窩部(わきの下)などを冷やしながら体は毛布などで覆って温めようとします。これが夏場であれば、必要以上に体を温めようとしてしまうと気づかない内に熱中症などの症状を引き起こしてしまうことも考えられます。さらに国による大きな違いもあります。日本では熱が出ている場合、体の部位を冷却するという方法が一般的ですが、アフリカなどの国では、熱が出ると水風呂に浸かると言われています。これは気候の違いによるもので、外気温が高く湿度も低いという国ならではの方法だと言えます。

外傷(ケガ)の急性期の症状の場合

外傷の急性期である受傷から14日以内の対処法について、以前から冷やす、温めるにおいて賛否があります。その為確立された手法ということではなく、体の働きから考えた私個人の意見として受け止めて頂ければと思います。

人間の体はケガを負った時、体内では炎症という作用が起こります。炎症が起こった細胞は熱を持って固くなってしまうという特徴があり、炎症が起こっている患部に血液が流れ込むことで「ズキズキ」と痛みが出ます。これに着目した手法が従来から行われている通称「RICE」と呼ばれている「安静・冷却・圧迫固定・挙上」という方法です。この4つの方法全てが患部に流れる血流を抑制しようとするもので、炎症を止めることに着目した手法です。しかし人間の働きを考えると、炎症部位に痛みが生じると、その痛みの出ている部位に対して体内で治そうとする働きが起こります。つまり炎症の痛みが、修復するべき部位までの道しるべとなり、様々な物質が体内で放出されて患部に送られます。また、体内の傷ついた組織をきちんと修復する為には大量の血液供給が必要となります。炎症だけを止めてしまうということは、患部が治ったということではなくあくまでも「炎症が治まっただけ」ということであり、組織の修復がきちんと行われた目安にはなりません。

もし持続的な冷却を行ったり、血流を阻害する手法で経過観察をしてしまうと、炎症が止まることで痛みはなくなりますが、体内で行われている傷ついた組織の修復作業もそこで止まります。最近特にスポーツをされているお子様に多いのですが、以前ケガをした部位が、痛みはないけれども違和感がいつまでもなくならないという相談が増加傾向にあります。これは、内部組織の修復がきちんと行われていないまま、痛みだけが消えてしまったという状況に陥っている場合もあるのではないかと考えております。

スポーツ選手の選手寿命

これに関しては、今現在はあくまでも私の仮説というか推測の域を出ることはありませんが、おそらく今後の状況を見て行くことでいずれかの答えが出ると思っています。それは、プロスポーツ選手の選手寿命に関してということです。現在特にわかりやすく将来的な推移が見てとれるのが「プロ野球のピッチャー」の選手寿命だと考えています。

私も小学校、中学校と野球でピッチャーをやってきた経験がありますが、当時は「投げ終わったら肩を冷やすな」と言われてきました。しかしここ数年の間に「投げ終わった筋肉は炎症を起こしているからアイシングをする」と変わりました。これをただ単に当時の考え方が海外の科学的なエビデンスのももとに変化したと考えてしまえばそれまでですが、私個人としては、昔の選手と現在の選手との引退までの年数の統計をとって観察した時、きっと現在の選手の方が選手寿命が短くなっているのではないかと思います。なにもこれはプロ選手だけがアイシングをしているというわけでなく、現在は中学校、高校のスポーツシーンでも当たり前のこととして行われています。その子供たちがプロ選手になったとして考えると、何年もそのように対処してきているということになります。これはあくまでも私個人の推測ですが、今後この考え方に何らかの変化が生じるのではないのかなぁと私は考えています。現在引退されたピッチャーの方で、50歳代まで続けたある選手がおります。その方はあるレポーターが「なぜ〇〇さんは投げ終わった後にアイシングをしないのですか?」と聞かれた時に「昔からアイシングという習慣がなかったですし、それでも今までプロで続けてこられたので」というものでした。

これから数年、もしご興味のある方は現在のプロ野球選手の中でも特にピッチャーの選手に注目して、過去と今後の選手寿命の統計をまとめてみて下さい。この私の考え方は現在は受け入れられない状況かもしれませんが、もしかしたら数年後、変わっているかもしれません。

血管損傷・骨折の受傷時は迷わずに冷やす

血管損傷や骨折による軟部組織の損傷が絡む時には、皮下や内部出血が起こっていることが考えられます。この時にいきなり温めてしまうと、血流が促進されることで内部での出血をすすめてしまい、腫れがどんどんひどくなって行きます。その為このような場合には冷却をして内部出血を止めることが最重要となります。

内部での出血が止まってからの対処としては、不必要な冷却は行わずに、ギプスなどで固定されていた関節の可動域の回復や組織の修復を行うことを目的として、温めながら関節運動やマッサージ、リハビリなどによるケアが必要となります。このような症状の場合には、それらの対処方法の冷却、温熱という順番を間違ってしまうと大変なことになってしまいますので細心の注意をはらって行うことが大切です。また骨折の場合には、出血が治まってからの超音波治療なども有効的な手法とされていますので、その時、その状況を考えながら対処をしましょう。


いつの時代も賛否両論の問題

この「体を冷却するのか?温めるのか?」という問題は、どの時代でも必ず賛否両論が出てくる問題ですが、私の個人的な意見としては当たり前のことにはなりますが「状況に応じた適切な対処」ということになりますが、ケガということではなく体の健康に関してということで考えると、体を冷やして良いことはあまりないというのが私の考え方です。もちろん夏場などの高気温の時や冬場の低気温の時とでは患者様に話す内容も若干変わりますが、基本的には温める方向性をお話しします。現在では捻挫や挫傷(肉離れ)、ギックリ腰などの炎症の際にも、受傷したその日から入浴などで温めて下さいという医師も出てきました。ケガの受傷の時に考えることとしては、その選手が今おかれている状況や背景まで考えて判断することなんだと思います。例えば中学生のお子様で、高校でも同じスポーツを続けたいということであれば、目先の炎症の痛みを止めることが重要だとは思いませんので、将来的な部分も考えてきちんと回復させてあげる方向性へ導いてあげることを重要視しますし、今年が最後の大会で、それで今後そのスポーツは引退しますということであれば、何とかその大会までに、今考えられる万全の状態で送り出してあげるにはどうしたら良いのかを重要視して考えます。

本当に言葉が悪くて申し訳ないのですが、ケガの度にテーピングや湿布などで対処して、最終的に「安静」を促してくる先生はあまりおすすめできません。スポーツ選手にとって安静という行動がどれだけ難しいことなのか、安静にしていれば治ると思っているある種間違った考え方を私は良いことだと思えません。これに対しても賛否はあると思いますが、この考え方に賛否を唱えることができる、良い先生なのか良い考え方なのかを判断するのは患者様だと思っております。できればその患者様にとって、いつでもベストな方向へ導いて行けることを一番に考えて接して行ければと日々考えています。

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